中古バイクのネット売買にご用心!
2021.03.28
コロナ禍の影響で、スポーツバイクや関連パーツ不足が延々と続いておりますが、この状況が後押ししてか、ネットでのオークションやフリマ等を通し多くの中古バイクが個人売買されているようであります。
以前、ネット上の個人売買の問題点を「オークション&フリマパーツの問題点について」というブログでお伝えしたことがありますが、今回、修理依頼を頂いたバイクが、悪意を感じる程とんでもない代物だったので、オーナーさんの許可を頂き、注意喚起ということで、ご紹介することにいたしました。
当初は、ダメージを受けているチェンリングの交換という内容で承った修理でしたが、チェンリング交換のため、クランクを外そうとしたところ、コッタレス抜き工具を取り付けるためのネジ山が完全に消失していることが判明。
ある程度ネジ山が残っていれば、何とか出来たかもしれませんが、ここまでキレイにネジ山をなめてしまったクランクを見るのは正直初めてかもしれません。
次なる手段を考案中にフロントサスペンションの異常箇所を発見。
何がどうして、こうなったのかは不明ですが、フォーククラウンのトップキャップがエポキシらしき樹脂で固められているという状況。
このフロントサスはコイルスプリングタイプで、本来はこのコイルスプリングにプリロードをかけるダイアルがあるはずですが、それが何故かこの状況。
エポキシらしき樹脂で固める前の状況が、この状態では解りませんが、この部分は、フロントタイヤが路面から受けた衝撃をスプリング経由で直接受ける部分で、最悪の場合、コイルスプリングがこの部分を突き破り、自転車が極端なノーズダイブを起こし前転、ライダーが致命的な怪我を負う可能性も十分考えられるかと。
このバイクについては、クランク部分が修理不能な状況にあること、安全にライドするこが出来ないバイクであることをオーナーさんにお伝えし、このバイクの使用を諦めて頂きました。
ネット上での個人売買を否定するわけではありませんが、個人売買にはこのようなリスクが常に存在し、そのリスクについての補償は基本的に何もないということをお忘れなく。