ペダル取付ネジのトラブルについて
2021.05.07
昨日はクランクとBBの取付け部分のトラブルについてお話ししましたが、今日は同じくランクでも、ペダル取付けネジ部分のトラブルについてのお話しします。
クランク素材は多くの場合アルミで、そこに取り付けられるペダルのアクスルもBBのアクスル同様ほぼスチールで出来ています。
ペダルの締め付けが不良、もしくはネジ山がしっかり合っていない状態でペダリングすると、大きな負荷によりクランクのネジ山は簡単に破損してしまいます。
さて、クランクのBB取付け部は補修できませんが、ペダル取付け部のネジ山についてはある程度補修することが可能です。
今回、斑尾スキー場へ出張した際の仕事のひとつが、レンタル用e-MTBのクランクの修理。
このバイクのクランクのペダル取付けネジ山は上の画像のように破損し、ペダルが取り付けられない状態になっていました。
そこで、今回行った作業は、破損してしまったネジ山にパイロットタップという工具で、標準のネジ山より一回り大きいネジ山を作り、そのネジ山にヘリサートコイルという特殊な「ネジ山の素」を挿入し、ペダル取付ネジを再生させるというもの。
手順としては、破損してしまったネジ山に慎重にパイロットタップを挿入し、切削オイルを適量塗布しながら、慎重に新たなネジ山を作ります。
出来上がったネジ山の削りカス等をパーツクリーナーやエアブローを使い取り除きます。
この新たに作ったネジ山にヘリサートコイルを専用工具で挿入します。
挿入されたヘリサートコイルの内側がペダルを取付る新たなネジ山となります。
新しいネジ山にペダルがスムーズに入るかどうかを確認し、問題がなければペダルを取付け、修理は完了です。
破損の状態やクランクの素材によって、この作業が行えない場合もありますが、ほとんどの場合、この修理を行うことが可能です。
<こちらは弊店のペダル軸メンテナンスキット>
※)と、その前に、ちょいとアドバイス!
クランクにペダルを取り付ける際は必ずグリスを付け、慎重にネジ山を合わせ、決して無理にねじ込まない様にしましょう。
走行中にペダルが脱落!という最悪の状況を招く前に、走行前のチェックをお忘れなく。
ペダルには左右があり、ギアが付いているクランク(右側)の取付ネジは順ネジ、そして反対のクランク(左側)は逆ネジです。
決して無理にねじ込まないように注意して下さい。
また、この様なトラブルでお困りの方はご遠慮なくご相談下さい。