あらためて、フェイスカットの重要性について
2025.01.19
フレームからバイクを組み上げる際に行う大事な作業がフェイスカットという下処理です。
ヘッドチューブやBBシェルの両端に固定するタイプのヘッドセットやBBは、ヘッドチューブやBBシェルの両端が平行になっていないと、ステアリングチューブやクランクシャフトの面とベアリングの面が斜めに接してしまうため、均等な保持力を得ることが出来ず、回転時のフリクションを発生させるばかりでなく、ベアリングやベアリングシェルに悪影響を与え、ベアリングの寿命を短命化する可能性があります。
つまり、ストレスの無いハンドリングやペダリングの獲得と、ベアリングの寿命への貢献という意味で、このフェイスカットという作業は重要な意味を持つというわけです。
さて、ヘッドやBBのフェイスカットもそのひとつですが、フェイスカットを行う前に塗装をファイリングで落とす作業もまた、意味のある作業となります。
同じ素材であっても微妙な個体差があり、カッターの刃のかかり具合によって、力加減やフェイスカッターを回すスピードを微妙に変えてやる必要があります。
塗装を落としてから作業を行うことで、ファーストタッチから正確な素材の情報を得られ、より正確なフェイスカットを行うことが出来ます。
また、ファインリングの際のヤスリのかかり具合で、素材の個性を事前に感じ取れるということも、メリットのひとつであります。