チューブレスタイヤのエア漏れ対応について
2021.08.28
チューブレスタイヤは、ホイールの軽量化、パンクの防止、タイヤ性能の向上、エア圧の保持等、多くのメリットを持っています。
しかし、正しいセットアップとメンテナンスを行わないと、様々な問題を引き起こします。
もし、2~3日で空気圧が著しく減ってしまうな場合は、以下のポイントをチェックしましょう。
① シーラント不足
(画像はシーラントが乾ききったチューブレスタイヤの内面です。)
現在のチューブレスタイヤは、専用のシーラント剤をタイヤに注入しチューブレス化しています。
MTBの場合は最初に約60cc~120ccのシーラントを注入しますが、5ヶ月ほどでタイヤ内のシーラント液は乾いてしまいます。シーラントがなくなるとパンクを自己修復出来なくなるばかりでなく、空気圧の保持が出来なくなります。
スケジュールを決め定期的に適量のシーラント(20〜30cc)を補充しましょう。
② エアバルブの緩みとエアバルブへのシーラントの固着
(画像はシーラントが固着したバルブコア)
エアバルブ自体の固定が緩んでしまうと、リムとの接合部からエア漏れが生じます。
エアバルブを固定ナットが緩んでいるようであれば、以下の方法で増し締めして下さい。
1)タイヤのエアを完全に抜きます。
2)バルブを路面と反対側の位置にしたのち、タイヤの外側からバルブの取付け部を指で押し付け、バルブの固定ナットを時計方向に回し締め付けます。この際、ナットの締め付けは工具を使わず行って下さい。
また、エアバルブ内に乾いたシーラントが固着するとバルブが正しく閉じず、エア漏れの原因となります。この場合は、バルブコアのクリーニングや交換を行いましょう。
③チューブレス用リムテープの不良
エアバルブ用の穴の開け方が悪いとリムテープとエアバルブの接合部の穴が広がり、エア漏れの原因となります。
リムテープを貼る前にリム面の脱脂を怠ると、テープの接着が甘くなってしまいます。チューブレス用リムテープと専用エアバルブは説明書をよく読んでセッティングしましょう。
また、タイヤを交換する際、タイヤレバーなどでリムテープを傷めると、その部分からシーラントが漏れ出し、エア漏れの原因になります。
チューブレスタイヤの交換はリムテープを傷めないよう慎重に行いましょう。
④ チューブレスレディータイヤ自体の不良
希にチューブレスタイヤ自体の不良でエア漏れが発生する場合があります。
上の画像はその例、チューブレス化した後のタイヤを水に浸けたところ、サイドウォール部からエア漏れが発生していました。
チューブレス化した後に、いくつかの場所でシーラントが滲み出すことはよくある現象ですが、このシーラントの滲みが収まらない場合も、タイヤ不良が原因と思われます。
新しいタイヤの場合は、購入した販売店に相談し交換を依頼しましょう。
⑤エアの入れ過ぎ
(タイヤには適性空気圧が表記されています。)
チューブレス化を行う過程で、タイヤに大量のエアを一気に送り込み、タイヤビードをリムのエッジに乗せるビード出しという作業を行います。
この際、一時的にある程度の高圧をかけることは致し方ありませんが、タイヤの指定空気圧以上のエア圧を長時間かけ続けてしまうと、タイヤのサイドウォールのケーシングやビード部の繊維を傷めエア漏れを起こします。
タイヤに記載されている適性空気圧を守って使用しましょう。
⑥チューブレス未対応のタイヤおよびリムを使ったチューブレス化
(画像はトレッドからシーラントが染み出したチューブレス未対応のタイヤ)
そもそもチューブレスレディーに対応していないリムやタイヤでは、チューブレスにすることは出来ません。チューブレスレディー対応のリムやタイヤを使用して下さい。
同じモデルであっても、完成車に付いているタイヤやリムはチューブレス未対応の場合が多々あります。
チューブレス対応の場合は、必ずリムやタイヤにチューブレス対応の記載があります。
この記載はメーカーによって異なりますが、webで簡単に調べることが可能です。