オークションの落とし穴
2022.12.20
<ビギナーキラーなカスタムバイク>
今回、お客さまからカスタマイズのご依頼を受けた、2019製と思われるRockyMountain Thunderbolt Carbon。
サンダーボルトは弊店でも多数販売したことがあるトレイルを幅広く遊び尽くせるマスターピース的存在のトレイルバイク。しかし、そんな名車でもカスタマイズの方向性を間違えると、非常に乗りにくいバイクになってしまうという例がこのバイクであります。
付属しているパーツやビジュアルから、ぱっと見良さげに見えますが、リアトラベル:130㎜、推奨フロントトラベル:140㎜〜130㎜のバイクに120㎜トラベルのフロントサスをチョイスしているところで、既にジオメトリーの崩壊が始まっており、マイナスライズのステムに短いストレートハンドルを付け、サンダーボルトのポイントでもあるRIDE9のセッティングを間違えているというところが、さらなるとどめ。
予想するに、サンダーボルトにXCバイク的要素を求め、これらのカスタマイズを加えたらしいのですが、30年以上ロッキーマウンテンを扱ってきた当店としての見解は、お金をかけて見事にサンダーボルトの長所を消した単なる修行バイクを作られたのではないかと。
オークションで買われたオーナーさんは、このバイクでのダウンヒルで四苦八苦し、実際にそれなりの怪我もされたとのこと。
転倒の原因としては、メチャクチャなジオメトリーに加え、表面がカチカチに硬化してしまった賞味期限切れのタイヤと、ほぼ残量ナシのディスクブレーキパットもその原因のひとつかと。
オークションにバイクを出す場合、オリジナルにカスタマイズを加えた主旨を説明するべきですし、ライドの安全に深く関与するタイヤやブレーキパットについても、交換しないのであれば、要交換の注意書きを付け加えるのが良心ではないかと考えます。
もちろん、オークションでバイクを手に入れることもアリですが、この様な落とし穴があることもお忘れなく。
さて、今回はお客さまのご要望にお応えし、サンダーボルト本来の乗り味を取り戻すためのカスタマイズを行うことになりました。
そのカスタマイズの詳細はまた近々!