いつもとはちょっと異なるスルーアクスルトラブル
2023.03.24
スルーアクスルネジ山部のグリス不足による噛み込み、もしくは異物付着による噛み込み等、スルーアクスルのトラブルについては過去に何度かお伝えしてきましたが、今回は少々異なるパターンのスルーアクスルトラブル。
バイクのリアホイールを外そうにも、スルーアクスルは回るがハブ軸が共回りしてしまい、アクスルが抜けないという状況。スルーアクスルとハブ軸内面が固着し共回りしてしまうと、アクスルのネジ山がフレームエンドから抜け出てくる分、回せば回すほどフレームのエンド部が左右に開いてしまうという恐ろしい状況に・・・。
リアスルーアクスルが抜けないと諸々不都合が発生するので、最悪はハブ周りのパーツの部分的破壊も考えたのですが、バイクを横にしラスペネを数日間に渡りハブ軸部に浸透させることで何とかスルーアクスルを抜くことが出来ました。
後日お客さまに使用状況を伺ったところ、バイクを室内に持ち込むため、ライドを行う都度、高い水圧でバイク洗浄を行っていたとのこと。
バイクを洗浄する際に高圧洗浄機を使用すると、高い水圧でハブやBB、その他シール部の中のグリスを洗い流してしまうばかりでなくパーツの中に多量の水分が入り込み、結果として、回転部の潤滑不良、錆の発生等々、バイクにとっては致命的なトラブルの原因になってしまいます。
バイクを洗浄する際はヘッド、ハブ、BB等の回転部やサスペンションのシール部に直接高圧で水をかけない、チェーンやスルーアクスルは洗浄の都度、注油やグリスアップを行う等のメンテナンスを行いましょう。
ちなみに、今回のこのバイク、リアハブ内のグリスがすっかり抜け落ちており、ベアリングやカッブ部が真っ赤に錆びておりました・・・。