ダブルフォルトなフロントサス。
2023.09.04
先日別の修理案件で持ち込まれたバイクに付いていたフロントサスペンション。
稀にあるのですが、ブレーキホースがフォークのロワーレッグの外側を通ってキャリパーに繋がるという仕様になっておりました。
このブレーキホースの取り回しは非常に危険で、先ずは走行中に木の枝等の障害物にブレーキホールが引っかかりやすいということと、転倒した際にブレーキホースがダメージを受けやすいということ。
山でブレーキを失うという危険な状況を避けるためにもブレーキホースはフォークのロワーレッグの内側を通すの鉄則ということをお忘れなく。
そして、ブレーキホースの取り回しを直している際に気付いたのが、ディスクキャリパーの取付に使われているキャリパーマウントアダプターが他社製だったということ。
念のため、ブレーキパッドをキャリパーから外し確認すると、ディスクローターとブレーキパッドの位置関係に僅かなズレが生じ、消耗したブレーキパッドの上部が削れずに残っておりました。
このまま使い続けることでブレーキパッドの上部同士が当り、突然制動力を失うという状況も十分考えられるので、キャリパーマウントアダプターを純正品に交換すると同時にブレーキパッドの面を整え、キャリパーの再セッティング作業を行いました。
上は、パッド面を整えたブレーキパッドと、使われてた他社製マウントアダプタ(左)と純正のマウントアダプタ(右)の画像。形が似ていてもブレーキメーカーに完全対応するアダプタ意外はNGということをお忘れなく!
さて、本来の修理案件とフォーク周りのトラブルの修理を終えた後に、この件をお客さまにお話ししたところ、フォーク周りの作業は他店さまの作業だったとのこと。
他店さまへの中傷は好みませんが、お客さまの命に関わるブレーキについては、しっかり勉強して頂きたいものでありますな。