SPECIALIZEDのGENIEリアショックについて
2024.10.13
大幅なモデルチェンジを行ったSPECIALIZED STUMP JUPER 15 Carbonや、New LEVOなどに採用された、GENIEリアショック。
アップデートの要となったGENIEリアショックは、コイルショック並みに高いグリップとトラクション、通常のエアスプリングより優れたボトムアウト耐性、そしてトラベル中間域と終盤のサポート性を独立してチューニング出来る優れものであります。
画期的な性能を持つGENIEリアショックですが、実際にはとてもシンプルな構造なので、ここで簡単にご説明いたします。
GENIEには外側と内側に2つの正圧チャンバー(エア室)があり、その2つのチャンバーは初期位置から70%のストロークした位置でGENIEエアポートというゲートで繋がっています。
2つのエアチャンバーが繋がっている状態でのGENIEの空気量(青い部分)は膨大で、ショックのストロークの最初の70%は、よりフラットでしなやかなスプリングカーブを実現します。
上の画像は50%ストロークした状態ですが、GENIEエアポートはまだ開いたままです。
ストロークの最後の30%に入ると、GENIEバンド(赤い部分)がエアポートを覆い、外側のエアチャンバーを閉じエアチャンバー容量が少なくなった分スプリングレートが徐々に高くなり、ボトムアウトを防止します。
つまり、トレイルで主に使われるリアショックのストローク範囲(70%以下)では、コイルスプリングの様に効率良くショックの吸収と路面追従性に貢献し、大きなバンプではしっかりとボトムアウトをコントロールするという理想的なリアショックが、このGENIEリアショックなのです。
<GENIEリアショックのチューニング>
さて、GENIEリアショックはオプションのスペーサーでエチャンバーの空気量を調整することが出来ます。
赤いスペーサーは外側のチャンバー用のスペーサーで、主にサスペンショントラベルのミッドストロークにおいてのスプリングレートを可変することが出来ます。(最大4個)
イエローとブルーのスペーサーは内側のチャンバー用のスペーサーで、ボトムアウト耐性を調整する際に使用します。