ケーブルルーティングのお話し。
2025.09.15
ブレーキホースやシフターケーブルを含むケーブル類の取り回しをケーブルルーティングと呼びます。
MTBは他のスポーツバイクに比べ、ハンドルやフルサスペンションイクなど構成部品の可動域が大きいため、組み上げる際にそれらの動きを考慮したケーブルの取り回しを考慮する必要があります。
例えば、ケーブルが長過ぎる場合は何らかの突起物にケーブルが引っかかり、転倒やケーブル破損に繋がる恐れがあります。
また、ケーブルが短い場合は、転倒した際にハンドルが大きく回転し、結果としてケーブルやブレーキホースを引きちぎってしまう可能性があります。
それ以外にも、リアサスペンションの動きを考慮してケーブルの長さを決めないと、リアスイングアームが限界まで動いた際にケーブル類が突っ張ることでサスペンションの動きを妨げたり、ケーブルがダメージを受ける可能性があります。
弊店ではカスタムバイクを組み上げる際、リピートタイという取り外し可能なタイラップ使用し、ブレーキホースやシフターケーブルをフレームに仮留めし、ハンドルを180°以上回す、サスペンションを可動域のリミットまで動かす等の稼働シミュレーションを行い、実用的かつ見栄えの良いケーブルルーティングを決めています。
もちろん、完成車においてケーブル類に長さが不適切な場合は、ホースやケーブル類のカットや交換等を行い、ケーブルルーティングの最適化を行っています。
見た目が美しく、ケーブルの動きが自然でフレームに干渉しにくいケーブルルーティング、この作業は経験に基づいたMTB専門店ならではの自己満足的仕事でもあります。