ブレーキのアップグレードのチップス
2025.11.30
MTBにとって、バイクコントロールの要となる重要なパーツがディスクブレーキです。
高い制動力を持ちながら、ブレーキの効き始めから最大制動力に至るまでの領域を自在にコントロール出来るブレーキが理想のブレーキです。
優れたブレーキにアップグレードすることで、大きな制動力を得るばかりでなく、スピードコントロール領域の幅が広がり、安全でストレスのないライディングを楽しむことが可能となります。


ディスクブレーキはバイクを制動するという役割だけでなく、状況に応じスピードをコントロールするという重要な役割があります。例えば、滑りやすい路面や下り坂でホイールをロックさせてしまうと、タイヤはグリップを失いバイクをコントロール出来なくなります。また、斜度のある長い下り坂で徐々に制動力が落ちてしまうブレーキは、肝心なときに止まることが出来ません。
ハイボリュームタイヤの29インチMTBがスタンダードになり、重量のあるe-MTBも増えつつある昨今、アップグレードによるブレーキの最適化がより重要となり、ディスクローターの大口径化、キャリパーの4ピストン化等、最近のディスクブレーキは、より高い制動能力が求められています。
では、アップグレードを行う際にどのブレーキを選べば良いのか?それぞれのメーカーの特徴を簡単にまとめてみました。
<シマノ>




今年フルモデルチェンジを行ったXTRとXTのブレーキは、システムの改良に加え、新しいエルゴノミクスデザインと新しい低粘度オイルの採用により、従来のピーキーなフィーリングが抑えられ、コントロール性能と制動力の高さに優れたブレーキへと進化しまた。
前後2ピストン、フロント4ピストン+リア2ピストン、前後4ピストン等、バイクの特性に合わせ、ブレーキレバーとキャリパーを自在に組み合わすことが出来るのも魅力となっています。
<MAGUARA>




マグラは元々がブレーキ専門メーカーということもあり、高い制動力と広いコントロール領域を持ったブレーキで、あらゆるシチュエーションでの扱い易さに定評があり、昔から多くのファンを持っブレーキです。
軽量ながら、諸性能に優れたカーボンテクチャーのMTシリーズに加え、DHバイクやエンデューロバイク、そして、e-MTBでの使用を前提として開発された高性能ブレーキ:MAGURA GUSTAV PROが、そのラインナップに加わりました。
強力なストッピングパワーとMAGURA伝統の高いコントロール性でDHバイクやエンデューロバイク、そしてe-MTBにもオススメのディスクブレーキです。
ブレーキフルードはミネラル系でメンテナンスや耐久性に優れており、バイクのカテゴリーに応じたラインナップも充実しています。
ドイツブランドのブレーキですが価格はさほど高くなく、その優れた性能を考えると投資をする価値のある優れたブレーキです。
<SRAM>




SRAMも、DHバイクやエンデューロバイク、そしてE-MTBに対応した、制動力に優れるMAVENとDB8をラインナップに追加、高い制動力に最初は驚かされますが、慣れれば中間域のコントロール性も掴みやすいブレーキに仕上がっています。
また、これらのブレーキは、ブレーキフルードにメンテナンスに手間がかからないミネラル系オイルを採用しています。


耐熱性の高いDOT5.1ブレーキフルードを使っているCODEやG2、そしてLEVELも健在で、幅広い車種に対応出来る様になっています。
<TRP>


TRPは汎用グレードの完成車に使われているテクトロの上位ブランドです。
アーロン・グウィンとの共同開発で誕生し、世界のレースシーンで人気を博したTRP EVO HD-M846の後継となるEVO PRO HD-9040が、2025年3月に全世界でリリースされました。
トップレーサーの意見をもとに新たに再設計することで、優れたブレーキ性能・コントロール性はそのままに、レバーのリーチやパッドとローターがコンタクトするタイミングを細かく調整できるようにアップグレード、よりシビアなブレーキングを可能としライダーのパフォーマンス向上を実現しています。


国内ではあまりシェアがありませんが、自分のe-MTBでTRP EVO HD-M846を使用しており、マグラに匹敵するコントロール性と制動力に、現状十分満足しています。
さて、各メーカーそれぞれのブレーキの特徴を大まかに解説しましたが、自分のライディングスタイルに併せて選べば、どのメーカーを選んでも間違いないはず。
自分のバイクにはどのブレーキを選べば良いのか?
選択に迷ったらディスクブレーキを熟知した当店にご遠慮なくご相談ください。
弊店では、数種類に及ぶブレーキをいろいろなシチュエーションでテストし、そのコントロール性能、制動力、メンテナンス性について情報を収集してきました。
そして、これらのノウハウを基にバイクやライディングスタイルや、ご予算に応じたブレーキ選びをご提案しています。




