突っ込みどころ満載のMAGURA ブレーキ こんなブレーキに誰がした!?
2021.09.16
先日、マグラのブレーキの調子が悪いということでお預かりしたバイク。
エア噛みが酷いので、再ブリーディングの準備でキャリパーを外そうとしたところ、キャリパーが乗っていたマウントアダプターはマグラ用ではなく他社製、しかもワッシャーが追加されていて、ローターとキャリパーの位置関係が全く合っていないという状態。
このまま使い続けると、ブレーキパッドが消耗した際に、ローターに当たっていないパッドの端同士が当たり、突然ノーブレーキになる危険性もあったかと。
※)キャリパーマウントアダプターは必ず純正のものを使いましょう!
次にブリーディングを行うため、キャリパー側からブレーキフルードを送り込むと、マスターシリンダーから出てきたのはシマノ製と思われる赤いブレーキフルード!?
青いマグラの純正フルードを送り込んだら、赤いのが出てきてマジ驚いてしまいました。
同じミネラル系のブレーキフルードとはいえ、シマノ・フルードはマグラより粘度が低いため、使用しているとオイル漏れを起こす可能性が大なので、絶対に使用不可!
もし、これがSRAM等に使っているDot系フルードだったら、このマグラは即アウトでありました。
(ちなみに、マグラのブレーキフルードはこんな色)
※)ブレーキフルードは必ずメーカー純正フルードを使いましょう!
大量の純正フルードを流してブレーキシステム内のフルードを入れ替え、ブリーディングの最後にブリーディングホールを閉じるEBTスクリューを締め込んだところ、ぬるっという嫌な感触。
このスクリューは0.5Nmという極小トルクで管理する必要があるのですが、最初にブリーディングした方がオーバートルクで締め込み、どうやらこのネジ山をなめてしまったらしい。
ブレーキのエア噛みの原因は多分このEBTスクリューにあったと推測されます。
※)EBTスクリューは出来れば専用トルクレンチで、無ければナメない程度の力で締めましょう。
さて、驚くべきことは、このブレーキの取付はユーザーさんではなく何処かのショップさんが行った仕事であるということ。
この様なやっつけ仕事が、事故に繋がるという可能性を考えなかったのでしょうか?
ブレーキはバイクを安全に走らせるための重要なパーツ、取付けや調整にに際し、プロとして十分勉強して欲しいし、経験を積んで欲しい。
そして、出来ないものは出来ませんと断る勇気を持って欲しいものです。